先人の技術を伝える「継手」と「仕口」
2023/10/03
ツーバイフォー工法では部材同士の接合に金物を使いますが、在来工法では金物を使わない継手、仕口の手法が用いられています。
継手も仕口も部材同士の接合部を指しますが、その方向が異なります。
継手は直線状の接合部、仕口は角度のついた接合部です。
どちらも在来工法の木造建築でよく用いられるので、用語を覚えておきましょう。
継手 → 軸方向の接合部
仕口 → 角度を持った接合部
仕口は、柱、梁(はり)などの箇所で、角度をもって部材を接合する際に用いられます。
仕上がりの美しさだけでなく、強度や伸縮、ねじれなどを考慮した設計が求められます。
在来工法でも、昔から大工さんは継手、仕口の加工に情熱をそそいできました。
その部分がきれいにおさまるか否かで、建物の出来が違ってくるからです。
継手、仕口は、金物を使わずにすっきりと木と木を一体化させるための技術。
何百年もかけて、大工さんたちが試行錯誤してつくり上げてきました。
最近では機械による事前のカット(プレカット)が増えてきましたが、機械の削り出す形も、従来の継手、仕口を参考にしたものです。
時代は変わっても、先人の技術や知恵が現在まで引き継がれているのですね。